2015年9月20日日曜日

金沢21美の新展覧会「誰が世界を翻訳するか」へ。楽しめそうな内容でした。その後オープン直後の片町きららのLOFTへ。賑わってました。午後からは県立美術館「鴨居玲展」。見ごたえありました。

昨日19日の金沢は,天候が良かった上,湿気が低かったので,自転車で市内を巡るのに丁度でした。観光客も大勢いました。

まず,昨日から始まった金沢21世紀美術館主催の展覧会「ザ・コンテンポラリー2:誰が世界を翻訳するのか」へ。今日のところは,ザッと一回りしたのですが,見ていて楽しい展示が多い感じでした。それと,「写真撮影可」の展示が大半で,展示を撮影している人が多いのが目立ちました。現代アートの中には,コピーされることを気にしない作品。むしろ,コピーされ,共有されることを意図している作品もあるような気がします。21美も,撮影の方針を変えてきているのかもしれないですね。




タレルの部屋は,青空と雲の感じが丁度良い感じでした。丁度,飛行機が通り過ぎていきました。写真にも一応写っています。

その後,前日にオープンしたばかりの片町きららに行ってきました。外観はこんな感じです。


建物の前に屋根とスペースがあるので,吹奏楽などのイベントに使えるかもしれません。

店の中で関心があるのは...金沢初進出のLOFTです。いろいろと楽し気なグッズがあり,見ているだけで楽しめました。LOFTについては,他の都市に行った時に何回か行ったことはあるので,目新しい感じはしませんが,時々,出かけてみたいと思います。

本日は,最近,よく使っているフリクション・スリムの「ちょっと高級版」(\1000)とルーズリーフのノートを入れるケースを,例のプレミアム商品券で買ってみました。

一旦帰宅した後,今度は石川県立美術館で行われている「鴨居玲展:踊り候へ」へ。



鴨居玲は,金沢出身の画家ということで,その作品は,石川県立美術館の常設展の中にも含まれているのですが,今回は,没後30年を記念し,活動を開始した1950年頃から亡くなった1985年までの作品100点が展示されていました。

この鴨居玲展は,少し前まで東京駅内の美術館で行っていたのですが,北陸新幹線開業記念ということで,東京→金沢という移動になったようです(絵画自体は,新幹線では運んでいないと思いますが),

鴨居玲の作品は,暗い色調の自画像などの人物画か教会を描いた中心で,モチーフ的にも色合い的にも統一感があります。一つ一つの作品の持つ,力もすごいのですが,セットで見ると,鴨居玲の人間へのこだわりの強さがしっかり伝わってきます。

ロビーでは,以前「新日曜美術館」で放送されたことのある鴨居へのインタビューが流されていましたが,そこで語っていた,誰もが心の底に持っている暗い部分へのこだわりが,作品の根底にあると感じました。

最近読んだ村上春樹の本でも,「自分の心の深いところまで降りて行って...」ということが書かれていましたが,人間への深いこだわりが,アートには不可欠といえそうです。

その一方で,絵自体には,日本の風土を全く感じさせないような,格好良さが漂っています。これもまた魅力だと思います。鴨居さん自身の肖像写真にもイメージどおりの格好良さがありますね。

展覧会を観終わった後,ミュージアムショップで記念に絵ハガキ4枚セットとメモ帳を購入。私も人並みに,生きるのに辛さを感じることがあるのですが(生きていれば誰にでもあることですね),そういう時にでも鴨居の絵をちょっと眺めて,自分自身の心の底に降りていけないかな,と考えています。